新聞に『氷点』のことが書いてあったので、
急に読みたくなって、
もう一度、最初から読みたくなって、
昨日、上下二冊読み終えました。
卯の花

中学生か高校生のとき夢中になって読んで、
高校生のころテレビドラマに夢中になって、
芦田伸介、新珠美千代、内藤洋子、市原悦子などなど、
思い出しても適役だったなと思います。

ああ、この個所、
ああ、ここもここも、
心に刺さったなあと、
思い出し思い出し読みました。
日記を三年続けて書いた人間は、
将来何かを成す人間である。
十年間つづけて書いた人間は、
すでに何かを成した人間である。
(「激流」より)

この街の人々に公平に与えられているものが一つあるよ。
何だと思う。
(「赤い花」より)

読み返して、
今はこういう箇所に心が惹かれます。
九月になると、
何だかつんのめるように日がたつって感じだな。
(「回転椅子」より)

つんのめるように日が経つ、
九月ってそんな月だなあと、
このごろ身に沁みてそう思います。