昨日の一冊は、
『ことばの贈物~岩波文庫の名句 365~』(岩波文庫)
卯の花
岩波文庫編集部編

何もしないという事を、
父が一番厭(いや)がっていた事を、
私はよく覚えている。
何もしないよりはいい。
と言う言葉を幾たび聞いたろう。
(「小堀杏奴『晩年の父』)

前途は遠い。
そして暗い。
しかし恐れてはならぬ。
恐れない者の前に道は開ける。
行け、勇んで。
小さき者よ。
(有島武郎『小さき者へ』)

今の私よりはるかに若い人が、
わたしよりはるかに立派なことを言っている。
改まった時も、
何気ない日常でさえも。