【10月のページ】2023・10・1
2023年10月01日
10月になったので、
幾つかの本の10月のページを開きました。
水上勉『土を喰う日々』(新潮文庫)
今月は果実酒の話でした。
文明の恩恵を受けることなく、
自然に息づいてきた昔の人は、
草と木がつくる実を『菓』と称し、
草木の実を楽しむ益を『薬』と称し、
『菓の薬』として果実酒をつくった。
(「十月の章」)
『春夏秋冬を楽しむ俳句歳時記』(成美堂出版)
赤い羽根つけらるる待つ息とめて 阿波野青畝
千人にまぎれぬ吾子(あこ)よ運動会 鶴岡加苗
さり気なく聞いて身にしむ話かな 富安風水
松茸の椀のつつつと動きけり 鈴木鷹夫
(「十月」)
夏生一暁『日々の歳時記』(PHP文庫)
十月にふるはしぐれと名をかへて 立花北枝
秋の灯や端居になれて草の色 石井露月
(10月1日 今日の季語」)