わたくしを不気味な子供と呼ぶ母がジャスミンティーを淹れる休日  山崎聡子

思春期と母が説明していますどうやらわたしのことのようです  平岡あみ

とりもどすことのできない風船をああ遠いねえと最後まで見た  東 直子

ふと「死ぬ」と聞こえたようで聞きかえすおやすみなさいの電話の中に  雪舟えま
(穗村 弘『これから泳ぎにいきませんか』河出書房新社)

こういう歌は詠めないなあと、
ある確かさで思います。

 

秋の日が暮れるのを見ると、
秋がだんだん暮れていくのがわかる。

卯の花