昨日の一冊は、
柳 美里『自殺』(河出書房新社)

卯の花

二十代で、
これほどまでに深く「死」について、
こんなにも広く「自殺」について、
そして赤裸々な「自分」について、
しかも高校生に語ったのかと思うと、
驚嘆に値します。

自殺についての考えを、
高校生に話してから二年が過ぎてしまった。
改めて読みかえしてみて、
こんなことを考えていたのかと、
恥ずかしくなる個所がないわけではない。
また、
大震災とサリンによる死の前で、
自殺を語って何になろうかという思いも強い。
(「あとがき」より)