退院の子の触れてゆく七夕竹  高橋多津子

葬儀屋さん最後の海を見せたしと母の棺は斜張橋ゆく  向井稔信

いずれも10月16日の山陰中央新報。

病院で亡くなった父を、
我が家につれて帰るとき、
親しくしていた方が、
住み慣れた木次の町を、
車で回ってくださいました。

父の職場、
よく行ったお店、
しばしば訪ねたお宅を、
ゆっくりゆっくり、
ときには車を止めながら、
時間をかけて巡ってくださった。