刻々と雪が解けるのを感じながら、
届いたばかりの一冊を読みました。
水庭れん『うるうの朝顔』(KADOKAWA)

卯の花

異邦人の見た目をした私が日々向けられていた視線。
それをありのままに想像してくれることを優しさと呼ぶのか。
それとも、
そんな視線が存在すると思いつきもしないことを優しさと呼ぶのだろうか。
ふたちゃんは前者で、
凪くんは後者。
どちらも私にとっては優しさだった。
その優しさが居場所になった。
(「エピローグ」)

「藍原さん」は「二葉」と「凪」の優しさに居場所を見つけているのではなく、
「二葉」と「凪」に優しさを見つけた自分に居場所を感じているのでしょう。

居場所が無い、居場所が無いと言う人は、
おそらく「人」の中に居場所を探す人なのでしょう。