夏生一暁『日々の歳時記』(ポプラ文庫)
2月1日の極めつき季語は、
「春近し」「春隣」「春待つ」でした。

朝ぬれし雨の枝々 春近し  室生犀星

叱られて目をつぶる猫 春隣  久保田万太郎


1月30日の毎日新聞に、
若山牧水賞受賞の永田紅さんの歌が取り上げられていました。

〈親指と人差し指のあいだにて「いま二センチ」の空気を挟む〉
表題作は、
妊娠8~9週目に詠んだもの。
エコー検査で胎児の大きさを知り、
「このくらいかな」と自分の指で測ってみた。
その感覚を歌にした。

これが一月の極めつきの一首になりました。