【子どもの伴走者】2024・2・21
2024年02月21日
やっと読み終えた単行本
伊藤比呂美『いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経』(毎日新聞出版)
昔、娘が中学生の頃、雲が好きで、
カメラをにぎりしめて、
いつも雲を撮っていた。
娘はそういう方面に進むのかと、
子どもの伴走者として応援もし支援もしたけれど、
娘はまったく違う方面に進んでしまう。
ついこの間、娘が言った。
「あの頃、あんなに夢中になっていたのは、
雲がすぐ消えるからだ。
次の瞬間には違う形になる。色もちがう。
だから、今の、この瞬間を撮りたかった」と。
その瞬間を手の中ににぎりしめていないと不安だったくらい、
この子にとっては、日々が苦しかったのだ。
親は時に伴奏の仕方を間違える。
このこともちょっと紹介しておきたかった。