昨日の一冊、
市川朔久子『ABC! 曙第二中学校放送部』(講談社)

ふと 目と心と頭が立ち止まったページがありました。

ひとつは禅僧・白隠慧鶴(はくいんえかく)の公案。
隻手(せきしゅ)声あり、その声を聞け
(「第九章 片手」)

両手で叩く音は誰でも聞くことができる。
ならば片手はどんな音がするのか。

もうひとつは英語の歌の訳。
きみが涙を流すとき
小さな星が生まれるだろう
こぼれた光は空に瞬き
やがて朝を呼ぶだろう
ひとりきり 眠れない夜
今 きみは 朝の先頭にいる
(「終章 はじまりの声」)