幸田文の『木』(新潮文庫)を読み終えました。
終戦直後のこと、
ある俳句の先生から、
中国のどことやらに俳句の知人が行っていて、
帰るに帰れぬ困難な状況下にあり、
そのひとが柳絮(りゅうじょ)の句を送ってきて、
涙がこぼれたと話した。
その句は、
“柳絮舞い柳絮みだれて” というのだった。
いまはもう古いことなので、
肝心の終りの五文字を忘れてしまったが、
私には柳絮という言葉だけでたくさんだった。
(花とやなぎ」)

インターネットで「柳絮」を検索すると、
舞いみだれる柳絮の動画がいくつもでてきます。