【評】2020・7・30
2020年07月30日
《評》
今週の紙上歌壇から、
歌と評を少し。
読売歌壇
〈歌〉 来るものは猿鹿のみの山の中八十路の夫婦にマスクの届く 秩父市 大野龍太郎
〈評〉 どこに住んでいても、いくつであってもマスクが届く。
お国からなにかを貰うなんてはじめてのこと。
ありのままに現実を歌って、期せずしてアイロニーになっている。 小池 光
毎日歌壇
〈歌〉 われら祝う真珠婚なる会食の話題を占むる子の暮らしぶり 川崎市 大平真理子
〈評〉 真珠婚式は30年目。
独立したばかりの息子に話題が集中し、
家族を支える側の労苦に及ばないいら立ちか。 篠 弘
山陰文芸
〈歌〉 飛び込んで来たクワガタに名をつけてしばし一緒に暮らさんとする 松江 福田美代子
〈評〉 たくさんの同じ種類のものの中から一つだけが自分にとって特別なモノになる。
それが名付けという行為の本質ですね。
このクワガタも家族という特別な一員になったのです。 寺井 淳
他人の歌に評を書く、
勇気の要ることだなあと、
はらり、ちかり、ぞろり、・・・と思います。
《今朝》
《昨夜》
《昨夕》
《昨日》