【手話通訳】2020・8・9
2020年08月09日
《手話通訳》
私の講演、
ときに手話通訳の方が入られることがあります。
そういうとき、
必ず、
手話通訳の方に尋ねます。
「手話通訳が必要な人を把握しておいでですか?」
たいていの場合、
「わかりません」
という答えです。
私の講演でいえば、
広い会場の、
不特定多数の人に向かって、
手話通訳をなさっているの普通のようです。
でも、
先週の講演は違っていました。
いつものように、
同じ質問をしたら、
目の前に坐っておいでの方を紹介していただきました。
その場で、
「大丈夫」という手話を教わりました。
右手の場合は、
右手の指をそろえて、
指先を左胸から右胸に移動させる。
左手の場合は、
左手の指をそろえて、
指先を右胸から左胸に移動させる。
これが「大丈夫」という手話だそうです。
習いたての「大丈夫」で、
その方と、
「大丈夫?」「大丈夫!」のやりとりをしました。
「?」は小首をかしげる動作、
「!」はうなずくことで表現します。
手話通訳の方に聞くと、
手話は基本であって、
あとのニュアンスは、
体や顔や目の表情で伝えるのだそうです。
三人の手話通訳の方々が、
手話通訳を必要とする方に向かって、
手話と表情でお話なさる。
その光景こそが、
「人権教育」のあるべき姿なのだと思いました。
私が90分間お話をする何倍もの説得力をもって・・・。
自分は手話通訳が必要だと手を挙げる、
それができない場面が多いのが現実社会です。
人権教育講演会においてさえそうなのです。
なにためらうことなく手を挙げる、
そういう社会を夢見て講演していながら、
不特定多数の人に向かって手話通訳なさる会場に、
さみしさを隠せませんでした。
なので、
先週の研修会は、
ある感慨と感動がありました。