【私だけの】2020・8・21
2020年08月21日
《私だけ》
新川和江が「名づけられた葉」という詩を書いています。
要約しながら引用します。
ポプラにはポプラの葉が芽吹く。
その小さな葉の一つ一つが、
「いっしんにひらひらさせても」
「名はみな同じ」で「ポプラの葉」と呼ばれる。
わたしも、
ポプラと同じように、
「いちまいの葉にすぎないけれど」
わたしは「わたしだけの名で」朝に夕に呼ばれる。
だからわたし
考えなければならない
誰のまねでもない
葉脈の走らせ方を
刻みの入れ方を
せいいっぱい緑をかがやかせて
うつくしく散る法を
名づけられた葉なのだから
考えなければならない
どんなに風がつよくとも
(新川和江『新川和江文庫』花神社)
差別の後ろ姿を書いたので、
ふと、
この詩が浮かびました。