《昨日の琴線》
昨日、
とっかえひっかえ読んだ中から、
昨日の琴線を少し。

  むしろ生きる人間がいて、
  年月を知るのである。
    (桐野夏生「選評」:「オール讀物」9・10月号:直木賞発表合併号)


  規士は犯人なんかじゃないって、
  そんなふうに育てた憶えはないって、
  あの人は言うし・・・
  生きててほしいのに、
  生きててほしいだけなのに・・・
  もう心が壊れそう。
      (雫井脩介「望み」)


  選べなかったほうの人生を夢見ることはできない。
  でも、
  選べなかった人生が私に微笑みかけてくれるとき、
  いつでもその人生に恥じないようにあることはできるかもしれない。
                  (吉本ばなな「下北沢について」)