《奇跡》
今朝のNHKラジオに、
いとうせいこうが出演していました。

聞き手のアナウンサーに思いを引き出される形で、
「自分」を語っていました。

その中から二つ。

小学校の時の担任の先生が、
いとうせいこうは、
「おばあさん先生」と読んでいました。

もちろん名前も覚えていましたが、
その先生が、
保護者面談のとき、
お母さんに向かって、
こんなことを言われたそうです。
  この子には乱読をさせてください。
  親が選んだ本を与えるのではなく、
  とにかく何でも読ませてください。


高校の授業で、
ある先生が、
突然、
「奇跡はあると思うか?」
と問われ、
手を挙げた生徒が、
それぞれの考える奇跡を述べたそうです。
そのときのいとうせいこうの意見。
  誰かの言葉で、 
  自分の人生観とか価値観が変わったとすれば、
  それが奇跡だと思います。

それを聞いた先生が、
「僕もそう思う」と賛同されたそうです。

まさしく、
その二人が、
いとうせいこうにとっての「奇跡の人」だったのです。
そして、
その二つの言葉が、
いとうせいこうにとっての「奇跡」だったのです。


奇跡とは、
なにも海を真っ二つにしたり、
空中に浮遊したり、
水の上を歩いたり、
不治の病を治したり、
そんなことではないのでしょう。

誰かの何かが、
誰かの人生を、
昨日とは全く違うものにしたら、
人はそれを奇跡と呼ぶのだと思いました。