《シャッター》
何十年ぶりでしょう?
シャッターを下ろしたのは。

錆びついて下りないのかと不安でしたが、
ちゃんと下りました。

朝になって、
三か所のうちリビングだけは上げました。

その時の空。

シャッター

シャッター

 


松江市の防災メールが届きました。
市バスは通常運転だそうです。

 

 

《秋の風》
昨夜、
シャッターで閉ざされた部屋で、
夜遅くまで、
台風関連のテレビを見ながら、
何冊かの本を拾い読みしました。

 

その中から一か所。
  さわさわと音を立てて吹きながら、
  秋の風は人びとの心を裸にします。
  淋しがらせ、
  寒がらせて、
  慣れ親しんだもののところへもどりなさいと、
  そそのかすのです。
  人びとが帰りを急ぐのも、
  秋のせいだったかもしれません。
       (立原えりか『しあわせな森へ』講談社文庫から「しあわせの森へ」より)