《劉廷之》
暑くならないうちに買い物に出かけ、
帰りに「みしまや」の古本コーナー「曽田文庫」で、
守屋洋『中国古典一日一言』(PHP文庫)を買いました。 

 

劉廷之


ところどころ、
鉛筆で、
薄く傍線が引かれています。

 

ラッキーでした。
私は、
傍線が引かれた古本が好きです。

書き込みがあると、
もっとラッキーです。

本の作者とだけでなく、
本の読者とも「お話」ができるからです。


さっそく、
9月8日のページを開いてみました。

私の好きな劉廷之でした。
劉廷之の「代悲白頭翁(白頭を悲しむ翁に代わって)」でした。

  年年歳歳花相似
  歳歳年年人不同
      (「唐詩選」)

  年年歳歳、花相似たり
  歳歳年年、人同じからず
  

守屋洋さんの解説。
  花は毎年同じように咲くが、
  それを愛(め)ずる人は年ごとに変わっているというもの。


この詩の一節、
私は中学校の国語の先生から教わりました。
  いいか、
  花は毎年同じように咲くけれど、
  人はそうはいかない。
  日々変っていくものだ。
  だけどな、
  花だって、
  人と同じだ。
  毎年毎年同じように咲いているように見えても、
  同じものは一つもないんだぞ。
  この世界のものは、
  すべて無常だ。

この先生は、
「真理」
「無常」
という二語が口癖でした。