【経験則】20・9・14
2020年09月14日
《経験則》
fuluでドキュメンタリーを見てたら、
ヴェスヴィオス火山の噴火で全滅したポンペイ、
あの「逃(のが)れる民」の研究者が言っていました。
我々はたくさんの経験則を持っている。
それらは日常生活にとっても役立つが、
非常時には時として判断を迷わせてしまう。
慣れ親しんだ環境に留まろうとしたり、
住み慣れた我が家が安全だと思い込んでしまう。
「逃れる民」
初めて知りました。
噴火で吹き上げられた大量の軽石が、
うず高く降り積もったそうです。
多くの市民は、
家の中に留まり、
難を逃れますが、
その後、
今度は高熱の火砕流が、
時速150kmで流れ下り、
噴火はもう終わったと安心していた市民を、
一瞬のうちに生き埋めにしたそうです。
後の発掘で、
腐敗した遺体が、
火山灰の中に空洞として残り、
考古学者はそこに石膏を流し込み、
逃げ惑う市民の最期の瞬間を、
石膏像に留めた18体が、
「逃れる民」と呼ばれているそうです。
こんなナレーションがあって、
心に残りました。
災害に直面した人の最期の様子が、
この「逃れる民」の研究を通して、
想像することができます。
ある者は、
我が身が助かろうと懸命に行動し、
ある者は、
自らの生の欲望より他者に手を差し伸べることを優先した。