《経験則》
fuluでドキュメンタリーを見てたら、
ヴェスヴィオス火山の噴火で全滅したポンペイ、
あの「逃(のが)れる民」の研究者が言っていました。

  我々はたくさんの経験則を持っている。
  それらは日常生活にとっても役立つが、
  非常時には時として判断を迷わせてしまう。

  慣れ親しんだ環境に留まろうとしたり、
  住み慣れた我が家が安全だと思い込んでしまう。


「逃れる民」
初めて知りました。

噴火で吹き上げられた大量の軽石が、
うず高く降り積もったそうです。

多くの市民は、
家の中に留まり、
難を逃れますが、
その後、
今度は高熱の火砕流が、
時速150kmで流れ下り、
噴火はもう終わったと安心していた市民を、
一瞬のうちに生き埋めにしたそうです。

後の発掘で、
腐敗した遺体が、
火山灰の中に空洞として残り、
考古学者はそこに石膏を流し込み、
逃げ惑う市民の最期の瞬間を、
石膏像に留めた18体が、
「逃れる民」と呼ばれているそうです。


こんなナレーションがあって、
心に残りました。

  災害に直面した人の最期の様子が、
  この「逃れる民」の研究を通して、
  想像することができます。

  ある者は、
  我が身が助かろうと懸命に行動し、
  ある者は、
  自らの生の欲望より他者に手を差し伸べることを優先した。