《言いえて妙》
昨夜からよく降ります。
大雨警報も出ました。

今朝も、
時折、
激しく降っています。

雨音を聞きながら、
昨夜から新しい本を読み始めました。

加藤 元『十号室』(光文社)

言いえて妙

 

書庫に積んである本を、
このごろ、
ちょっと涼しくなったものだから、
読んだ本、
読んでいない本、
読みかけで放ってある本、
大まかに、
この三種類に分けています。

書庫、
「倉庫」と呼んだり、
「離れ」と呼んだり、
「物置」と呼んだこともありましたが、
今は「書庫」です。
正確には、
三分の一は「物置」の「書庫」です。

それはともかく、
読んでいない本が、
今の時点で100冊はあります。

その中から、
今の気分で読めそうな1冊を選んで、
ベッドの枕元に置いて、
寝る前と、
朝まだきにに読んでいます。

 

それはともかく、
昨夜からの『十号室』に、
こんな箇所があって、
言いえて妙だなと思いました。

言い換えれば、
いいとこ突いているなあ・・・と思いました。

十号室の住人、
森下悠子が、
八号室の住人、
藤沢貴大に言った言葉。

  だって、
  不幸になるために生きている人間はいないでしょう?

  どんなに困難な道であろうと、
  その道を選んだ以上、
  しあわせになれると信じたはずです。
  少なくとも、
  一度はね。

  それでも、
  思いがけない深い穴に落ち込んでしまうのは、
  避けられないのだけれど。

  誰だって、
  自分の選んだ選択が間違っていないと信じたい。

  もっとも、
  自分の選択が正しかったことを証明するために、
  他人の人生をとやかく判断するのは、
  どうかと思うけれど。

  幸か不幸かなんて、
  勝手に決めつけるのは無礼だと思いますよ。
  そのひとの人生は、
  そのひとだけのものなんです。

 

昨夜は、
珍しく、
夜の来客がありました。

私が言ったこと。
  大丈夫だから。
  
  心配ないから。
  
  手術、
  きっとうまくいくから。
  
  検査の結果が出たら、
  霧が晴れたように心配なんか吹っ飛ぶから。

  ただし、
  ひとごとだから、
  他人事として言ってるけど・・・。

  でも、
  もし、
  私があなたと同じような状況になったら、
  そのときは、
  大丈夫だから・・・と、
  心配ないなから・・・と、
  言ってもらえる?
  他人事として。

その人のことば。
  大丈夫です。
  そのときは、
  こんどは私が言ってあげます。
  もっと他人事で、
  もっと自信たっぷりに、
  「大丈夫、大丈夫!」
  「絶対に治りますから」
  ・・・と。


心許せる「ひとごと」が居ることの幸せ。