【昨日】20・9・19
2020年09月19日
《昨日》
昨日、
fuluで観た映画『氷菓』
大人の男が、
幼稚園児の姪に、
こんなことを言います。
いいか、
強くなるんだ。
強くなって悲鳴を上げるんだ。
悲鳴を上げなかったら、
生きたまま死んでしまうことになる。
俺のように・・・。
俺は、
このまま、
死にながら生きたくはない。
強くなければ悲鳴を上げられない。
世の中には、
そんな強さがないために、
悲鳴も上げられない人がいるのだ。
逆説めいているけど、
確かにそうだなあと思いました。
昨日、
横になってから読んだ本。
加藤 元『十号室』(光文社)
二日で読み終えました。
こんな夫婦の会話があります。
でも、
くよくよしたり、
うらみごとを抱えて生きていくより、
忘れた方がいいって、
岡本さんは言うの。
森下さんは、
ペットでも飼った方が寂しさがまぎれたんじゃないかってね。
傲慢だな。
え?
忘れられないことも、
忘れてはならないことも、
たくさんあるじゃないか。
夫婦の会話を聞きながら、
娘が幼い我が子を見下ろしながら、
心のうちで思います。
この子がもし、
たかしくんのように、
永久にいなくなってしまったら。
想像しただけで、
胸が絞られるように痛くなる。
ペットでも飼え?
岡本さんも、
ずいぶん無神経じゃないの。
自分にだって息子がいるのに、
どうしてそれがわからないんだろう。
孫の髪を撫でながら、
祖母が言います。
「そうだわねえ」
祖父が誰にともなく言います。
「忘れられない苦しみに対して、忘れろというのは、他者の傲慢だ」
昨日の雨上がり。