《よしよし》
わけもなくさみしい気持ちで目が覚めて、
ああ、
なんだかそんな夢を見ていたと思い出す。

ときどき、
さみしくてならないときがある。

そんなとき、
八木重吉なら、
さみしさのなかに掌を入れて、
ほんとうのものにさわろうとするのだろうけど、
私はそういう気持ちを何かで包んで、
隠そう隠そうといていたような気がする。

そういえば、
子どものころからそんな子だった。 

そういうこころをなでなでして、
そういうきもちによしよししてやればよかったのだ。
今にして、
そう思う。