【倫敦の焼き芋】20・9・28
2020年10月01日
《倫敦の焼き芋》
朝まだきのラジオから、
正岡子規の手紙が朗読されました。
正確ではありませんが、
おおよそ、
こんな内容でした。
僕はもう駄目になってしまった。
毎日号泣して暮らしているようなものだ。
以前、
君が送ってくれた手紙は、
実に愉快だった。
僕が西洋に行きたがっていたことを、
君はよく知っているだろう。
でも、
病気になって行けそうにない。
君が倫敦から送ってくれる手紙を読むと、
まるで西洋に行ったような気になる。
僕の目が開(あ)いているうちに、
もう一便、
手紙を送ってくれないか。
倫敦の焼き芋は、
どんな味がするのだろう。
ラジオだから、
分からないけれど、
「ロンドン」は、
「ロンドン」ではなく、
「倫敦」だったろうと思います。
病床の正岡子規が、
倫敦の夏目漱石に宛てた手紙です。
聴いていて、
あまりにせつなくて、
涙がにじみました。