【夜の匂い】20・10・1
2020年10月01日
《夜の匂い》
昨夜、
夜道を歩いていたら、
どこからか、
なつかしい匂いがします。
なんだろう?
なかなか思いだせなくて、
なんだろう?
なんだろう?
と思って歩いていたら、
ずいぶん歩いてから、
もう匂いがしなくなってから、
ふっと気づきました。
金木犀の匂いでした。
生まれ育った家の庭に、
大きな金木犀の木があって、
だから、
そこはとなく懐かしかったのです。
久しぶりに、
『カラー図説 日本大歳時記』(講談社)
木犀の香をたしかめんとする息する 篠原 梵
昨夜の『刑事7人』の最終回、
こんなセリフがあって、
絶望や後悔、
それを抱えて、
僕らは生きるしかないんです。
夜の匂いがした。
昨夜の月が、
あんまり明るかったので。
庭先に立つと、
夜の匂いがした。