日々の子ども

《半年分》

7月から止まってた一冊を、

昨日、

大晦日までの半年分を一気に読みました。

何日分か、

要所要所を紹介します。

8月12日「男のスポーツ選手と女のスポーツ選手」

  古代ギリシャのオリンピックでは、

  女性は競技に参加することが禁じられ、

  観客として見に行くことさえできなかった。

      (中略)

  近代オリンピックの創始者クーベルタン男爵は、

  自分が統治しているうちはずっと、

  女性の存在に反対した。

    女には、愛嬌、家庭、子育てがありますから。

    スポーツ競技は男のためにあるのです。

 

 

9月8日「識字の日」

  ブラジルの北東部セルジッピ州。

  パウロ・フレインは、

  文字を覚えたばかりの極貧の農民たちと、

  新しい仕事をはじめる。

  「調子はどうだい、ジョアン?」

  ジョアンは黙る。

  帽子のつばを折る。

  長い沈黙のあと、

  ようやく口を開いて言う。

  「眠れなかった。一晩中ばっちりさ」

  それ以上、

  言葉は出てこないが、

  ついにつぶやく。

  「昨日、人生で初めて自分の名前を書いたんだ」

 

9月18日「最初の女医」

  1915年のこの日、

  スーザン・ラ・フレスカが亡くなった。

  スーザンは二十五歳にして、

  アメリカ合衆国で初めて医学の学位を取得した先住民だった。

  そのときまで、

  先住民オマハ族が、

  ひどい暮らしをしていた居留地には、

  医者が一人もいなかった。

この本の名は、

『日々の子どもたち~あるいは366篇の世界史~』(岩波書店)

確かに、

これもまた世界史でした。

秘密の部屋を裏窓から覗いたような・・・。

今日は、ここまで。