《続・これもまた世界史》

今日は10月から。

10月17日「沈黙の戦争」

  貧しい人がどういう人か、

  わたしたちは知り尽くしている。

      (中略)

  わたしたちが知らないのは、

  貧しい人がなぜ貧しいかである。

  ひょっとして、

  彼らが裸でいるからわたしたちに服があり、

  彼らが飢えているからわたしたちに食べ物があるのだろうか?

 

10月19日「透明人間」

  グラウコンはリディア王国の牧童の話をした。

  この牧童は指輪を見つけ、

  指にはめると、

  誰からも自分が見えなくなることに気づいたという。

  その魔法の指輪によって、

  彼は他人の目に映らなくなったのである。

  ソクラテスとグラウコンは、

  この話の倫理について、

  長いこと哲学的な談義を交わした。

  しかし、

  彼らのうちどちらも、

  なぜギリシャで、

  女性と奴隷は魔法の指輪もしていないのに、

  見えない存在なのかを自問しなかった。

グラウコンはプラトンの兄だそうです。

 

10月27日「シモンの狂気」

  1769年の今日、

  カラカスでシモン・ロドリゲスは生まれた。

      (中略)

  彼は、

  その分別の罰として、

  「狂人(エル・ロコ)」と呼ばれた。

  彼の口癖は、

  我々の国は国家も国旗もあるが自由ではない、

  自由なのは、

  そういうものを創った国であって、

  模倣する国ではない。

  自由なのは考える人であって、

  従う人ではない、

  というものだった。

  真に教えることとは・・・

  エル・ロコは言った。

  ・・・疑うことを教えることである。

 

この本、

理解が難しい個所も多々ありますが、

分かる個所は分かるなりに、

分からない処もそれなりに、

珠玉の言葉の宝庫です。