【七回忌】2020・10・5
2020年10月05日
《七回忌》
一昨日は母に命日、
昨日は母の七回忌の法要。
読経のあいだ、
元気だったころの母の顔を思い出そうとして、
それがねえ、
あんまり思い出せないのです。
思い浮かぶのは、
だんだん我が子のことを忘れがちになってからの、
病院のベッドに横たわる顔ばからりが、
浮かんでは消え、
消えては浮かび。
なんでだろう?
病床の年月より、
遥かに長い年月、
間近で、
その顔を見て来たはずなのに・・・。
言葉やしぐさや、
声の質や手の温もりなど、
ある場面を限って、
鮮烈によみがえるのに・・・。
おかしなことだ。
矍鑠(かくしゃく)としていたころの、
まだ若かった母の顔が、
あんまり思い出せないのです。
次の法要は13回忌。
あと6年、
考えるだけで息切れがしそうだ。
肺ではなく、
心が息切れしそうだ。
命は光陰に移されて
しばらくも停(とど)めがたし
紅顔(こうがん)いづくにか去りにし
尋ねんとするにしょうせきなし
つらつら観ずるところに
往時の再び逢うべからざること多し
(「修証義」第一章より)
人の命は、
時と共に移りすぎていって、
若かったときの面影を求めても跡形もなく、
過ぎ去った日々に出会うことはない。
・・・ということかな?