《ありがとう》

先日、

大修館書店の機関誌、

「国語教室」第114号が送られてきました。

福島県の高校に勤務の和合亮一先生が、

「詩の教室へようこそ」という連載を始められました。

第1回は『「ほんとうのうた」の扉へ』

東日本大震災直後、

当時小学校5年生だった菊田くんの、

「ありがとう」という詩が紹介されています。

  文房具ありがとう

  えんぴつ、分度き、コンパス大切にします。

 

  花のなえありがとう

  母さんとはちに植えました。

  花が咲くのが楽しみです。

 

  うちわありがとう

  あつい時うちわであおいでいます。

 

  応援の言葉ありがとう

  心が元気になりました。

  

  最後に

  おじいちゃんを見つけてくれてありがとう

  さよならすることができました。

 

和合先生が、

こんなふうに心を寄せておられます。

  涙を禁じえませんでした。

  最後の「ありがとう」が、

  他とは全く違うものとして心に強く響いてくるのが感じられました。

 

「ありがとう」が違う。

まったくもって同感です。

菊田くんの感性の鋭さ、

和合先生の感性のしなやかさ、

詩の世界の確かさを思いました。

国語教室