【いちばん】2020・10・19
2020年10月19日
《いちばん》
昨日の朝日歌壇で、
いちばん心が痛んだ歌。
どれくらい呼んだのだろう帰らない母を幼い姉妹ふたりは (丸亀市)金倉かおる
あの事件、
あれほど大きく報道されたから、
何度も何度も報道されたから、
時が経っても報道され続けたから、
鮮明に心に残っているけれど、
この感性で、
この表現をされると、
心が痛くてなりません。
「ういらか」でいうなら、
「い」のうた。
「いたし」の歌。
昨日の朝日歌壇で、
いちばん心が温もった歌、
時間割り表より長く見ておりぬ明日の給食献立表を (奈良市)山添聖子
「ういらか」でいうなら、
「う」のうた。
「うつくし」の歌。
大庭みな子『枕草子』(講談社)から。
うつくしきもの(かわいらしいもの)
にわとりのひながまだ白っぽく、
毛も生えそろわず、
足ばかり長く見えるのが、
ぴよぴよ鳴きながら人についてまわる姿。
また親どりにつれられて、
走るようについてまわる姿。