【誠実な】2020・10・20
2020年10月20日
《誠実な》
高校生だったころ、
井上靖が高校で講演をしました。
小説とモデルの関係のような話でした。
奥深い話でした。
井上靖らしい話でした。
もう一つ忘れられないのは、
昼食をどこかの料亭で用意しようという話になった時、
「そういう食事より田舎の素朴な弁当が食べたい」と、
そう井上靖が言ったという話。
しばらく経ってから、
国語の先生に教えてもらいました。
先日、
西宮から季節の贈り物が届きました。
「丹波篠山 黒枝豆」
こんな説明書きが入っています。
丹波黒大豆が成熟して黒豆になる前の青い若い枝豆が、
丹波黒若さやです。
一般に出回っている枝豆とは一味違い、
丹波黒大豆特有のコクと甘みがあります。
ご賞味いただける期間がごく短く限られており、
丹波篠山市の秋の味覚として珍重されています。
この家族からは、
早春のいかなごのくぎ煮と、
晩秋の黒枝豆を、
季節の味として送ってもらいます。
井上靖が「田舎の素朴な弁当」なら、
「誠実な家族の厚意」と呼ぶにふさわしい贈り物です。