【蚕さん】2020・10・25
2020年10月25日
《蚕さん》
毎朝、青汁を飲んで、
飲むたびに思います。
あ、蚕さんの匂いだ!・・・と。
でも、本当は桑の葉の匂いだと思います・
子どものころ、
我が家は蚕さんを飼っていました。
一年のある時期、
二階は私が寝る部屋以外は蚕さんの部屋でした。
夜中に目覚めると、
蚕さんが一斉に桑の葉を食べる音がしていました。
耳を澄まさなくても聞こえる音でした。
音は不気味でも、
蚕の食欲は頼もしくもありました。
でも、
やがて体が黄色く透き通ってくると、
繭を作り始め、
繭が完成すると、
羽化を待たずに煮られてしまいます。
長く一緒に過ごした蚕さんです。
残酷の感を禁じ得ないときです。
干した繭を集荷所に持って行くのが子どもの仕事でした。
総じて、
養蚕は切なくて、
蚕さんは愛おしい存在でした。