【明後日から11月】2020・10・30
2020年10月30日
《明後日から11月》
それで思い出しました。
昨日、紹介した金子成人『ごんげん長屋つれづれ帖』(双葉文書)に、
こういう個所がありました。
月が替わって十一月になった昨日から、
二日続けて雨に降られた。
今日の雨は、いつ雪に変わるかも知れないような、氷雨である。
お勝はこの朝、お琴にも、手跡指南所に通う幸助とお妙にも足袋を履かせた。
足袋を揃(そろ)えられない家ならともかく、
足が冷たかろうが、
躾(しつけ)と称して、
子供に我慢を強いる商家があると聞くが、
お勝にすれば、それはただの虐(いじ)めだ。
我が意を得たりとはこのことかなと思います。
昔、
ひどく暑い6月に、
教室に冷房を・・・とお願いしたら、
「まだ6月だぞ、このぐらいの暑さは我慢させろ!」
と叱られたことがありました。
そのとき、
年配の先生が、
6月だろうが、7月だろうが、暑いときは暑い。
暑いときは暑いように、
寒いときは寒いように対処して何が悪い!
と援護発言をしてくださいました。
このぐらのことで泣くな!・・・とか、
こんなことで弱音を吐くな!・・・とか、
そういうことを言う人もいますが、
私はこうした物言いには反対です。
辛いときは辛いように、
悲しいときは悲しいように、
嬉しいときは嬉しいように、
楽しいときは楽しいように、
そういうのが人間として、
まっとうな在り方と私は思います。