何かのとき使おうと、
パソコンの横に置いていた岩波新書、
興膳 宏『漢語日暦(かんごひごよみ)』

源語

今日、11月2日を開いてみました。

今日の漢語は「源語」でした。
『源氏物語』のことです。
  江戸の女流漢詩人江馬細香(えまさいこう)に、
  『源氏物語』の印象を漢詩に綴った「源語を読む」五首がある。

その中の一種、
  衆艶(しゅうえん)は一時に併(なら)び開き難(がた)く、
  葵花(きか)は忽ち妬風(とふう)にくだかる。

六条御息所の嫉妬を受けた葵上を、
風に破れた葵の花に喩えて詠んでいます。

紫式部が『源氏物語』という傑作を書き、
たくさんの人が時代を越えて読み続け、

江戸時代の女流漢詩人が漢詩に詠み、
その漢詩を見つけ出し、
こうして紹介してくれる。
文化というのは、
文化の遺伝というのは、
すてきなことだなと思いました。