今日で11月が終わります。
台所のカレンダーも今日でおしまい。
忌日一覧をみると、
旧暦
 11月19日:一茶忌(小林一茶)
 11月22日:近松忌(近松門左衛門)
新暦
 11月 2日:白秋忌(北原白秋)
 11月21日:波郷忌(石田波郷)
 11月21日:八一忌(会津八一)
 11月23日:一葉忌(樋口一葉)

石田波郷(いしだはきょう)は、
生涯、胸の病(やまい)に苦しみました。
彼の俳句は、
そうした胸中を詠んだものが多いようです。
『俳句の解釈と鑑賞辞典』尾形 仂 編(旺文社)から探しました。
  秋の夜の憤(いきどお)ろしき何々ぞ
   (句釈)この秋の夜、死ぬかもしれぬという予感のする病の中で、
       思えば思うほど、胸中にこみ上げてくる憤怒(ふんぬ)がある。
       一体それを、何と何といったらよいのか。

  螢籠(ほたるかご)われに安心(あんじん)をあらしめよ
   (句釈)螢籠のほのかな光が消え、またともる。
       そのたよりなげな光が、また仏の世界のことを示しているようでもある。
       死に近く、病み衰え、いまだ信心決定できないでいる我に、
       願わくは心の安定を与えたまえ。螢の光よ。
    俳句