青山七恵『みがわり』(幻冬舎)の新聞広告に、
瀧井朝世さんがこんなこと書いていました。
  伝記の執筆依頼に隠された秘密とは?
  書くことと書かれること、
  読むことと読まれることの謎とたくらみに満ちたスリリングな一冊。
  312ページで思わず「ええっ!」と声が出ました。

312ページまで、
はやる気持ちで一気に読みました。
そして、
問題の312ページからは、
「ええっ? どういうこと?」
何度も何度も、
後戻りしながら、
たどたどしく読みました。
読み終えた今も、
不可解なままの謎も残っています。
本

謎解きはできませんので、
心に刺さった一節のみ引用して、
「予測不能のラストに向かって疾走する傑作長編」(朝日新聞の広告文」を閉じます。

  事実を見抜く子どもの本能的な聡明さの前に、
  大人の正義はひどくみじめだ。
  こんなやりとりがこの先何千回と繰り返されるうち、
  やがて疲弊(ひへい)した子どもたちは、
  大人たちを諦め、
  彼らが理解し受け入れられるレベルの過失にのみ言及するようになる。
  今日のお弁当には箸がついていなかったとか、
  体操服が生乾きだったとか・・・。