【和気】2020・12・20
2020年12月20日
昨夜、
夜更けに読み終えた小説。
倉阪鬼一郎『かえり花~お江戸甘味処 谷中はつねや~』(幻冬舎時代小説文庫)
「和気」という語が何度も出てきます。
はつねやに和気が満ちた。
その言葉を聞いて、はつねやにまた和気が漂った。
ここではつねやに漂っていた和気はだしぬけに陰った。
はつねやにまた和気がよみがえった。
一斎がそう言ったから、はつねやに和気が満ちた。
おなみがそう言ったから、はつねやに和気が漂った。
昨夜読んだ後半だけでも、
こんなにあります。
「広辞苑」第七班で「和気」を探しました。
わき【和気】1.のどかな気候。あたたかい陽気。
2.なごやかな気色。むつまじい気分
「和気藹々(わきあいあい)」というように熟語で使うことはあっても、
単独で「和気」と言う語を見たのはおそらく初めてです。
この小説、
全編通じて、
そんな気色、そんな気分、そんな空気の漂う小説でした。