今週の読売歌壇から二首。
  Aくんが時速5キロで15分歩いた夜の孤独を述べよ  神戸市 若杉有紀
しなやかな感性だと思いました。
孤独を算数で表現する仕方もあるのだと思いました。
  
  デイサービスフィリピン人の職員が誰か故郷を想わざるに泣く  青森県 吉田 敦
選者の小池光さんが「胸に迫る」と評しています。
この評を読んで、
歌詞を口ずさんで、
ますます胸に迫るものがありました。
一番の最後は「幼馴染のあの友 この友 ああ 誰か故郷を想わざる」ですが、
三番は、
♪幼馴染のあの夢 この夢
♪ああ 誰か故郷を想わざる

「あの夢」「この夢」が胸に迫ります。

そして、
ああ、誰かAくんの夜の孤独を想わざる
ああ、Aくんの夜の孤独を想わない人があろうか?
いや、誰だってAくんの夜の孤独に想いを重ねるだろう。
だって、数字で表現するしかない夜の孤独なのだから・・・。

昨夜の月。
つき