【新年の読書】2021・1・4
2021年01月04日
年末から年始にかけて、
いささか体調がすぐれず、
出かけることもなく、
ごろごろしながら読書しました。
心の滋養になりそうな時代小説ばかりを選んで・・・。
「どちらを選んでも辛いということだな」
「でも、どっちかを選ばなきゃならねえとしたら・・・。
島田さんなら、どっちを選ぶんですかい」
「それは・・・。明日がある方だ」
(畠山健二『本所おけら長屋』〈13〉PHP文芸文庫)
自分の夢を託すこともあるだろう。
だから、息子に対して父は厳しい。
だが、娘には、甘い。
それは、いずれ嫁となって家を出ていくからだ。
考えてみれば、
父と娘がいっしょに過ごす時間は存外短い。
(中島久枝『はじまりの空~日本橋牡丹堂 菓子ばなし~』〈6〉光文社時代小説文庫)
おとっつぁん、おっかさん。
私を産んでくれてありがとう。
私も自分の子にそう言ってもらえるように・・・、
文七さんと・・・。
(畠山健二『本所おけら長屋〈12〉PHP文芸文庫)
「小萩はうらやましがられているんだよ。
好きなことを見つけて、
それに向かって進んでいるんだから。
だれもが、
大好きなものに巡り合えるってわけじゃないんだよ。
もっと胸を張らなくちゃ」
その通りだ。
おかあちゃんは、いつもいいことを言ってくれる。
(中島久枝『ひかる風~日本橋牡丹堂 菓子ばなし~』〈4〉光文社時代小説文庫)
腹の足しにならないものが、
生きる足しになることがあります。
体に効かないものが、
心に効くこともあります。