今日の山陰文芸に共感できる歌がありました。
  新年のめでたき活字の行間に手書きの文字がコロナを嘆く  出雲 渡部 学
まさしく同感です。
私がいただいた中にも、
そのような年賀状が何枚もありました。

  それとなき親の仕草がこの頃のわが手仕事に息づくを知る  出雲 花田敦子
父の年を越えてから、
母の年齢に近くなってから、
ちょっとした動作や言葉遣いに、
父のそれ、
母のそれを、
それとなく自分のそれに見つけます。

今朝、
ベッドで読んだ本、
息吹有喜『犬がいた季節』(双葉社)
高校三年生の「優花」は高校入学と同時に思い知らされます。
  世の中、上には上がいる。
  同じような好成績をあげてきた生徒のなかでは、
  自分は思っていたほど優秀でも特別でもない。
  むしろ凡庸だ。

大学に入って早々に、
私も同じように自分を悟りました。
主義主張もなければ、
確固たる信念もない。
将来に対する目標も定まっていない。
政治に疎く、学問も浅い。
読書したという自負もない、
臨機応変な意見も言えない。

「優花」の気持ちがよくわかる。  
旬1