今朝、
早起きして読んだ時代小説。
中島久枝『湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ』(ポプラ文庫)
堀川1
このごろ、
夜は眠たくて眠たくて・・・。

二か所引用します。
  お園は生きている。
  それは願いなのか、希望なのか、信念なのか。
  今では、
  それすら分からなくなる時がある。

根拠も可能性もすっ飛ばして、
もはや精神論の世界です。
でも、
こういうことって、
あるなあと思います。
そうでもしなかったら生きていけなかった、
そういうことって、
あったなあと思います。 

  だけど、
  そんな人でもいなかったら、
  あたしたちは生きていかれない。
  正しいとか正しくないとか言うのは、
  寝る場所と食べる物がある奴の理屈だ、
  あたしたちにそんな寝言は通用しない。

もはや道徳や常識が通用しない世界。
「人間らしさ」を飛び越えてしまった。
でも、
それこそが「人間くさい」ということかなとも思いました。

命がむき出しの世界。