1月18日の毎日新聞「詠む広場」に、
歌人の川野里子さんが、
「1月20日の誇り」と題して、
1993年1月20日のことを書いています。
この日、
共和党のブッシュ大統領に代わって、
民主党のクリントン新大統領の就任式があったそうです。

川野さんが英会話を習っていたレディさんという高齢のアメリカ女性は、
この日、河野さんが訪ねる日だったにもかかわらず、
玄関に続く細道も掃かず、
玄関に出迎えることもしなかった。
  レディさんは上等のワンピース、
  真珠のネックレスという教師時代の正装で、
大統領就任式を報じるテレビを見つめていたそうです。

ブッシュ支持のレディさんが、
クリントン大統領就任を祝っていた。

「どうして?」と尋ねたときのレディさんの答え。
  皆がアメリカ人になる日だからよ。
  こうして集うことが私達の誇りなのよ。
こうした「アメリカ」もあったのです。
州兵が武装して祝賀ムードの欠片もない「アメリカ」もアメリカなのです。

この文章に歌が添えられています。
  かもしれないドアの向こうに人がいる かもしれなくてすごく光った  加藤治郎

アメリカ時間の今日、
日本時間の明日未明は、
バイデン新大統領の就任式。
いろんな「かもしれない」を全世界が抱いていることでしょう。

それにしても、
  かもしれないドアの向こうに人がいる
  かもしれなくてすごく光った
なんてすてきな歌だろう。
これを書いているたった今、
今日、講演予定の小学校から電話がありました。
駐車場が分かりにくいからと、
行き方曲がり方見つけ方を詳しく教えてただきました。
今日はいい出会いがあるかもしれない。
今日はとってもいい日かもしれない。
電話の声で心が光り温もり広がりました。