陰暦2月15日は西行忌だそうです。
円位と号し、
歌集が「山家集」だったので、
円位忌とも山家忌とも云われるようです。
  栞(しおり)して山家集あり西行忌  高浜虚子
  一人ゐて軒端の雨や西行忌  山口青邨
  つぼみなる花かぞふべし西行忌  五十崎古郷
どの句も、
おしなべていいなあと思います。  

昨日、届けていただいた時代小説を、
早起きして読み終えました。
篠 綾子『しのぶ草~江戸菓子舗照月堂~』(ハルキ文庫)

旬1

こんな一節がありました。
     願はくは花の下にて春死なむ その如月の望月のころ
   願わくば、春の桜の下で死にたい、
   如月十五日・・・お釈迦さまが入滅なさったその季節に・・・
  西行が実際に亡くなったのは二月十六日なのだが、
  生前の西行の歌にこめた思いを汲み取って、
  西行忌は二月十五日ということになっているのだという。

このこと、
2月15日に書こうとも思いましたが、
忘れそうなので今日にしました。

夏生一暁『日々の歳時記』(PHP文庫)には、
2月16日のページに「西行忌」が載っています。
  「きさらぎの望月」は、
  2月15日の釈迦命日(新暦では3月23日ごろ)を指しており、
  歌に込めた思いが叶ったもので、
  そのため一日寄せて15日を忌日にすることも多い。

それよりも、
次の記述の方が心に残りました。
  「今日ばかり花も時雨よ西行忌」の句を詠んだ、
  井上井月の命日でもある。
「井月忌(せいげつき)」というそうです。