今日の朝日新聞「天声人語」に、
「私の折々のことばコンテスト」の作品が引用されていました。

  「靴の脱ぎ方であなたがわかる」
神奈川県の女子中学生の作品だそうです。
  2年前のある日、
  母が「学校少し休んだら?」。
  雑な脱ぎ方で、
  何かつらい目に遭っていると見抜かれた。

昨夜、読んだ単行本を思い出しました。
村山由佳『雪のなまえ』(徳間書店)

 

小学5年生の「雪乃」に向けらた言葉を、
脈絡なく引用します。
  みんなと足並み揃えて学校に行けないからって、
  自分のことを責めたりする必要はない。

    学校なんて、
    無理して通わなくていい。

  学校でしか学べないこともあるにはあるだろうけど、
  いっぽうで、
  学校では逆立ちしたって学べないことが、
  外の世界にはたくさんある。

    ズル休みはいけないな。
    学校だけはちゃんと行っといたほうがいい。

  いいかげんでねえだか。
  あんたンとこは、
  子どもまでいいかげんでだらしねえ。

    身体がどっか悪いわけでもねえのに、
    ガッコへも行かねえ。
    それをまた親が叱るどころか、
    爺やん婆やんまでが甘やかしちまって、
    おかげでわがまま放題だに。

  雪ちゃんが、
  もう絶対こっちの学校にも行かねえっていうふうに、
  答えを出しちまうには、
  まだちーっとばか早いような気がするだけども、
  どうだろうかなあ。

    いい? 雪乃。
    きついことを言うようだけど、
    いつまでも逃げてたってどうにもならないのよ。

  が・・・学校・・・ず、ずっと行かなく、てごめ、なさ・・・

  だって、こ、こんなにし、心配し、てく、れてるのに・・・
  あたしってば、ずっと、あ・・・当たり前みた、に甘えてて・・・
  ごめ・・・ごめんねえ。

    だからね、
    なーんも気にすることはねえに。
    今のうちに、
    めた失敗しとけばいいだ。
    迷子になっとけばいいだよ。
    あっちこっちうろうろして、
    電信柱におでこぶっつけたり、
    穴ぼこにはまったりして、
    ちょっとくれえ怪我したっていいい。
    いっくらでもやり直せるだから、な?

脱いだ靴を見て察する人、
靴の脱ぎ方で見抜く人は、
ちゃんといるものです。