【靴の脱ぎ方】2021・2・6
2021年02月06日
今日の朝日新聞「天声人語」に、
「私の折々のことばコンテスト」の作品が引用されていました。
「靴の脱ぎ方であなたがわかる」
神奈川県の女子中学生の作品だそうです。
2年前のある日、
母が「学校少し休んだら?」。
雑な脱ぎ方で、
何かつらい目に遭っていると見抜かれた。
読みながら、
昨夜の単行本を思い出しました。
村山由佳『雪のなまえ』(徳間書店)
小学5年生の「雪乃」に向けられた言葉、
「雪乃」が泣きながら口にした言葉を、
脈絡なく引用します。
みんなと足並み揃えて学校に行けないからって、
自分のことを責めたりする必要はない。
学校なんて、
無理して通わなくていい。
学校でしか学べないこともあるにはあるだろうけど、
いっぽうで、
学校では逆立ちしたって学べないことが、
外の世界にはたくさんある。
ズル休みはいけないな。
学校だけはちゃんと行っといたほうがいい。
いいかげんでねえだか。
あんたンとこは、
子どもまでいいかげんでだらしねえ。
身体がどっか悪いわけでもねえのに、
ガッコへも行かねえ。
それをまた親が叱るどころか、
爺やん婆やんまでが甘やかしちまって、
おかげでわがまま放題だに。
雪ちゃんが、
もう絶対こっちの学校にも行かねえっていうふうに、
答えを出しちまうには、
まだちーっとばか早いような気がするだけども、
どうだろうかなあ。
いい? 雪乃。
きついことを言うようだけど、
いつまでも逃げてたってどうにもならないのよ。
が・・・学校・・・ず、ずっと行かなく、てごめ、なさ・・・
だって、こ、こんなにし、心配し、てく、れてるのに・・・
あたしってば、ずっと、あ・・・当たり前みた、に甘えてて・・・
ごめ・・・ごめんねえ。
だからね、
なーんも気にすることはねえに。
今のうちに、
めた失敗しとけばいいだ。
迷子になっとけばいいだよ。
あっちこっちうろうろして、
電信柱におでこぶっつけたり、
穴ぼこにはまったりして、
ちょっとくれえ怪我したっていいい。
いっくらでもやり直せるだから、な?
脱いだ靴を見て察する人、
靴の脱ぎ方で見抜く人は、
ちゃんといるものです。