目が覚めたので、
朝まだきの寝床で読んだ時代小説、
中島久枝『なごりの月~日本橋牡丹堂菓子ばなし~』《二》(光文社時代小説文庫)
宍道湖1
その中から今朝の教訓を引用します。
  もう、この道しかない、
  自分はほんまにこの仕事で生きていくんやと思えるんやったら、
  不器用やろうが女子(おなご)やろうが、
  関係あらへん。

  口に出して言ってごらん。
  そうでないと、何も始まらないよ。

  そう言われて諦めるくらいだったら、
  やめておけ。

  そうだよ。
  そんな中途半端な気持ちで行かれたら、
  みんなが迷惑する。

  ここはあんたの家なんだから、
  いつでも戻ってくることができる。
  だけどね、
  時をさかのぼって、
  今年のあんたに戻ることはできないんだよ。
  十七歳っていうこの時は、
  一度きり、
  後になって、
  ああ、あの時、あんな夢があった、
  もう一度やり直したいって思っても遅い。

この言葉を聞いて、
小萩は改めて思います。
  やっぱりおかあちゃんは強くて正しい。