昨夜から読み始めた文庫本、
熊澤尚人『おもいで写真』(幻冬舎文庫)

花2

映画化されて、
今年の1月から全国公開されているそうです。
音更結子を深川麻衣、
星野一郎を高良健吾が演じているようです。
ぴったりのキャスティングと思います。

第一章の終わりに、
こんな一文があります。
「結子は和子が言った言葉の音色を嚙み締めた」

「言葉の音色」
いい表現だなと思いました。

言葉の音色が先ず耳に入って、
それから言葉の意味が心に届くのかもしれない。

言葉の音色は心の扉をたたくノックなのでしょう。

  結子ちゃんは頑張り屋やけど、
  どんな人でも上手く行かん日があるから、
  そんな時は心を大きく持って、
  腐らず続ければ上手く行くからね。

  結子はドアの外で立ち止まったまま、
  閉まった扉の奥、
  見えないその先を見つめた。
  祖母が結子に決して見せなかった本心を、
  今やっと聞いたように感じたのだ。

心の音色を聞いたように思いました。