昨日の朝から、
深刻な花粉症に悩まされています。
頭痛、鼻水、くしゃみ、
一日中、無為に過ごしました。

夜になり、
少し楽になって読んだ文庫本、
末國善己篇『時代小説アンソロジー 商売繁盛』(角川文庫)
旬1
巻末の解説は末國さんが書いておられます。
  江戸時代の商人は、
  丁稚、手代、番頭へと出世する過程で、
  店主や上司、先輩から、
  商売のノウハウだけでなく、
  質素、倹約、礼儀などの商道徳を、
  徹底して叩き込まれたので、
  高い倫理観を持っていたとされる。

  本書の作品セレクトは、
  新型コロナウイルス感染症(COVID19)がまだ、
  “対岸の火事”だった時期に行った。
  「坊主の壺」を選んだのは、
  クオリティを優先した結果の偶然である。
  新型コロナの終息が見通せず、
  リモートワークの拡大など、
  日本の労働環境はさらなる変革を求められているが、
  このような時代に、
  本書が働くすべての人に、
  勇気と希望の“光”になることを願ってやまない。

宮部みゆき「坊主の壺」は、
幕末のコロリ(コレラ)の流行を背景にした作品です。

齋藤月岑『武江年表』によると、
1858年のコレラの流行で、
約2万8千人が亡くなり、
「実に恐るべきの病」と記されているそうです。