【解説】2021・2・22
2021年02月22日
昨日の朝から、
深刻な花粉症に悩まされています。
頭痛、鼻水、くしゃみ、
一日中、無為に過ごしました。
夜になり、
少し楽になって読んだ文庫本、
末國善己篇『時代小説アンソロジー 商売繁盛』(角川文庫)
巻末の解説は末國さんが書いておられます。
江戸時代の商人は、
丁稚、手代、番頭へと出世する過程で、
店主や上司、先輩から、
商売のノウハウだけでなく、
質素、倹約、礼儀などの商道徳を、
徹底して叩き込まれたので、
高い倫理観を持っていたとされる。
本書の作品セレクトは、
新型コロナウイルス感染症(COVID19)がまだ、
“対岸の火事”だった時期に行った。
「坊主の壺」を選んだのは、
クオリティを優先した結果の偶然である。
新型コロナの終息が見通せず、
リモートワークの拡大など、
日本の労働環境はさらなる変革を求められているが、
このような時代に、
本書が働くすべての人に、
勇気と希望の“光”になることを願ってやまない。
宮部みゆき「坊主の壺」は、
幕末のコロリ(コレラ)の流行を背景にした作品です。
齋藤月岑『武江年表』によると、
1858年のコレラの流行で、
約2万8千人が亡くなり、
「実に恐るべきの病」と記されているそうです。