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『ハグとナガラ』からもうひとつ。
その年の台風被害や猛暑酷暑を思い出して、
「ハグ」がこんなことを思います。
  通り過ぎない嵐はない。
  どんな暑い夏でも、
  やがて涼やかな秋へと姿を移してゆく。
  そのすべてを乗り越え、乗り越え、
  人間は生きてきたんだなあ。
  弁天島の鳥居を眺めながら、
  ふと、
  そんなことを思った。

似たような言い回しは他にもあります。
これまで何度も耳にしてきました。
「降りやまない雨はない」
「抜けられないトンネルはない」

でも、
挫折や苦悩や悲嘆の只中にいるとき、
そういう言葉が嘘くさく思われることがあります。
そういう言葉は「無事の人」だから口にできるとさえ思われることも・・・。

でも、
『ハグ」の言葉は真実味があります。
  その
  すべてを
  乗り越え
  乗り越え
  人間は
  生きてきたんだ
  なあ

みんな生きてきたのです。
私も生きてきました。
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