【昨日の読書】2021・3・18
2021年03月18日
積読から選んで、
昨日、一気に読み終えました。
坂本 司『切れない糸』(創元推理文庫)
クリーニング屋さんの話です。
長男の和也の物語です。
喫茶店「ロッキー」の沢田が絶妙の推理をします。
本の帯から引用します。
商店街の四季と共に、
人々の温かさを爽やかに描く、
青春ミステリーの決定版。
まさしく、
その通りのお話です。
愛されていたという記憶さえあれば、
人は一人になっても生きていける。
大切にされた命だとわかっていれば、
暗い道で迷うこともない。
動物が傷を癒す秘訣は簡単だ。
傷を抱えたまま、
じっと治るのを待つ。
けれど、
人間はそうはいかない。
ことに気持ちの問題はそうだ。
いっぱい痛がって、
いっぱいわめいて、
いっぱい泣いて、
その後よく眠る。
子供のような手放しの状態を見せることのできる相手がいないと、
傷は大きく重くなるばかりだ。
だから、
俺は糸村が泣けばいいと思った。
泣いてわめいて、
すっきりすればいいと思ったんだ。
昨日、
二つの贈り物が届き、
送り主の二人と、
その家族のみなさんの顔が浮かんで、
今日、お訪ねする人のことを思い浮かべて、
この商店街の四季の話、
静かに静かに心にしみました。