【感染予防・感染対策】2021・3・20
2021年03月20日
今朝の読書は一気読みでした。
畠山健二『本所おけら長屋』6(PHP文芸文庫)
その五「だきざる」に、
感染予防・感染対策と思われる場面がありました。
風邪に似た症状ですが、
咳や高熱が続き、
体力のない年老いた者や、
子供の多くは死んでしまったそうです。
三月(みつき)ほど前から、
九州でこの病気にかかった者が出はじめ、
先ごろは、上方でも・・・」
「その流行病(はやりやまい)はいずれ江戸にも・・・」
「御上(おかみ)は策を講じておられるのか」
はい。
まず、旅の者にはわからぬように、
関所には医師を配備しています。
熱のある者、疑いのある者は関所を通しません。
また、宿場町や江戸の医師にも、
内々で通達が出ていると聞いています。
疑いのある者は、
一定の場所に隔てることになると思います。
「聖庵堂」に患者と思われる旅人が担ぎ込まれます。
医師の「聖庵」が助手の「お満」に注意します。
離れには、だれも近づけてはいかんぞ。
そして、
一番気をつけなきゃならんのが、ワシたちだ。
どのように病が感染(うつ)るのかわからんが、
気をつけねばならん。
離れに入るときは、
必ず布で鼻と口を覆(おお)うこと。
離れから出たときには、
手をよく洗うこと。
これだけは守れ。
よいな。
もし、少しでも身体に異変を感じたら、
すぐに申し出るんだぞ、
この文庫本、
2016年発行の本です。
舞台は江戸時代後期。
2021年3月20日に読んで、
大いなる感慨がありました